病気や障害を理由に、スポーツを楽しめなかった経験はありませんか?そんな経験をお持ちの方にぜひ知って頂きたいのが、今回ご紹介する『ゆるスポーツ』。ゆるスポーツは、年齢や性別、運動神経の良い・悪いといったことに関わらず、だれもが楽しめる新しい分野のスポーツなのです。
現在、中学校の保健体育の教科書でも紹介されている『ゆるスポーツ』。今回は、「『ゆるスポーツ』とは、一体どのようなスポーツ?」「本当に、誰でも楽しむことができるの?」といった疑問の解消はもちろん、世界ゆるスポーツ協会代表理事の広報の方にもお話を伺いました。
誰もが平等に楽しめるスポーツ
『ゆるスポーツ』にはさまざまな競技があり、なんとその数80競技以上!大きく、以下のような特徴があります。
- 老若男女健障誰もが楽しめる
- 競技中、笑い声が絶えない
- 思わぬ人がヒーローになるかも!?
- けがのリスクが少ない
例えば、病気や障害に対してのハンディキャップはありません。誰もが平等に楽しむためのルールが設けられているため、年齢や性別、運動神経、障害の有無に関わらず、全員が同じルールで、全力で楽しむことができるのです。
『ゆるスポーツ』が大切にしているのは、プレイヤーも観客も声を出して笑える世界なのだそう。競技中の「ミス」も「笑い」に変わるような仕掛けがあります。そのため、スポーツが苦手な人も、病気や障害を持つ人も、誰もがヒーローになる可能性を秘めたスポーツと言えます。
『点字ブロックリレー』『イモムシラグビー』など
それでは、具体的にどんなスポーツがあるのか、見ていきましょう!
例えば、『コツコツ!点字ブロックリレー』は、プレイヤーが目隠しをして、点字ブロックでできたコースをリレーする競技。2つのチームに分かれ、互いに作りあったコースを早く走破できたチームが勝ち、というルールです。
点字ブロックは、直進できる「GOGOブロック」と、停止・方向転換が必要な「STOPブロック」の2種類。クリアがより難しいコースを作るのが、勝利への近道かも…?
また、「イモムシラグビー」は、その名の通り、イモムシになりきってプレイするラグビー競技。専用のイモムシウェアを装着したら、あとは、「ほふく前進」「転がる」といった基本動作のみでラグビーをプレイします。障害の有無に関わらず、みんなで一緒に楽しめるスポーツということで開発されたそうです。
万が一、ラフプレー(乱暴なプレー)をした場合は、その場でひっくり返って1プレイ分「イモムシフリーズ」をする、というルールつきなんです。ラグビーの得意・不得意にかかわらず、誰が活躍するかわからない競技ですね。
こんな風に、激しい動きが必要ないというのも『ゆるスポーツ』の特徴の一つ。けがのリスクが少ないので、通常のスポーツよりも安心して取り組めます。とはいえ、症状によっては注意が必要ですので、心配なことがあれば前もって医師に相談しましょう。
自宅で楽しく!「ARゆるスポーツ」
最後に、世界ゆるスポーツ協会の広報の方に、病気や障害をお持ちの方におすすめの『ゆるスポーツ』を中心にお話を伺いました。
車いす利用者など、体を思うように動かすことが難しい方におすすめの『ゆるスポーツ』はありますか?
自宅からオンラインで楽しめる「ARゆるスポーツ」がおすすめです。
世界ゆるスポーツ協会公式YouTubeチャンネルより
ARゆるスポーツの1番の特徴は、顔だけでプレイできる競技が多くそろっていることです。例えば、お題に合わせてポーズを取り、その魅力で競うヨガ風スポーツ「ほぼヨガ」、体内時計を頼りに、10秒ぴったりでまばたきするレース競技「ドライアイ走」、まゆげを高速で上げ下げするスポーツ「まゆげリフティング」など、全部で6種類のARゆるスポーツがあります。
実際に、ゆるスポーツのイベントに参加された方からはどのような声が寄せられていますか?
『ゆるスポーツ』のイベントに参加された方は、ほぼ全員が「楽しかった」「また参加したい」と、アンケートで回答されています。
また、「障害のある方や、年齢・性別が違う方とも、スポーツを通じて交流をできるということが新鮮だった」という意見も頂いています。
現在、コロナ禍でのイベント実施状況はいかがですか?
通常のイベントは実施しづらい状況のため、オンラインでのイベントを開催したり、ソーシャルディスタンスを保ったままできる『ゆるスポーツ』の開発を行ったりしています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、以前のようなリアルでのイベント開催は難しい状況です。それでも、『ゆるスポーツ』なら自宅にいながら安心して楽しめそうですね。
興味を持たれた方は、ぜひ、世界ゆるスポーツ協会のウェブサイトをご覧になってみてください。(遺伝性疾患プラス編集部)