遺伝性疾患プラスとは

病気の理解をお手伝いするメディアです

遺伝性疾患プラスは、遺伝性の病気について、原因や治療法などの難解な知識を丁寧にわかりやすく解説し、さまざまな関連情報を医学的根拠に基づいて正しく提供する遺伝性疾患情報の専門メディアです。

遺伝性疾患とは

遺伝性疾患(Genetic Disorders)とは、遺伝性の病気、つまり、遺伝情報の変化により引き起こされる病気をいいます。
人間は、約30億もの膨大な文字列(DNA配列)からなる遺伝情報を持っています。

人間の遺伝情報
人間の遺伝情報

遺伝情報に起こり得る変化は、大きいもの(染色体全体)から小さいもの(1文字のDNA配列)までさまざまです。

遺伝情報に起こり得る変化
遺伝情報に起こり得る変化

そのため、遺伝性疾患は、1つの遺伝子の変異で発症する病気、複数の遺伝子の変異が重なると発症する病気、遺伝子の変異と環境的な要因の組み合わせで発症する病気、染色体の全体や一部の構造が変化して起こる病気など、多岐にわたります。

遺伝学の歴史と治療法開発に向けた動き

人間の遺伝情報の全体像(ヒトゲノム)が2003年に解読完了となり、また、同時期にコンピューターの性能が指数関数的に改良されていったことにより、遺伝性疾患の研究は、世界中の医学者や研究者により急ピッチで進められるようになりました。日本も最先端の研究を行う国の1つとして、多くの医療機関、研究機関が、病気の仕組みの解明や新しい治療法の開発に、日々精力的に取り組んでいます。

また、厚生労働省は有識者による「難病に関するゲノム医療の推進に関する検討会」の開催を2019年10月より開始し、国としてゲノム医療実現のための体制や情報の整備に、本格的に取り組み始めました。この中には、遺伝性疾患の根治につながる遺伝子治療や、そのための遺伝子検査の開発も含まれています。2019年12月には具体的な「実行計画」案が公表され、単一遺伝子疾患、多因子性疾患、診断困難な疾患などの多数の症例について、優先的に全ゲノム解析などを行うとしています。

遺伝学の歴史
遺伝学の歴史と治療法開発に向けた動き

病気について知ることの意義

遺伝性疾患の治療は、遺伝子治療に限られるものではありません。さまざまなアプローチによる新しい治療法も、確実に開発されてきています。さらに、これまでの研究により、現時点で遺伝性疾患と定義されていないものも含めた多くの病気に、何かしらの遺伝的要因が関連しているということもわかってきています。つまり、遺伝性疾患について理解しておくことは、全ての人にとって、とても意味のある、重要なことなのです。

とは言え、いざ遺伝性疾患を知ろうと思いインターネットや本で遺伝性疾患の解説を読んだり、または自分のもつ遺伝性疾患について病院で説明を受けたりしても、遺伝やゲノムに関わる病気の説明は、とにかく出てくる単語も病気の仕組みも大変難しいため、多くの人が、なかなか十分な理解まで到達できていないのが現状です。
そして、こうした理解不足により、遺伝性疾患の患者さんやご家族が、「遺伝性疾患は全て治療法がない」「遺伝性疾患は全て必ず子どもに受け継がれる」などと間違って思い込み、治療に対して前向きになれなくなったり、親戚や周囲の人から偏見を受けたりするようなことが、まだ世の中ではいろいろと起こっています。

一方で、理解不足によって生じている患者さんの苦悩は、病気を十分に理解し、最新の正しい情報を得ることで、解消が可能です。1人でも多くの遺伝性疾患をもつ患者さんが、こうした苦悩を抱えることなく、病院で受けた説明を十分に理解した上で、1日も早く前向きに治療に臨めるようになる、そうした社会を実現するために、遺伝性疾患プラスは誕生しました。

私たちは遺伝性疾患の理解をサポートします

遺伝性疾患プラスでは、病気のメカニズムをわかりやすくイラストにしたり、専門的で難しい単語には説明を付けたりしています。これにより、難しい情報も、途中でつまずかずに、誰にでもすんなりと読んで頂けるようなサイトになっています。

来るべきゲノム医療の時代を視野に入れつつ、遺伝性疾患について、正しい知識をプラスし、治療の選択肢を自らの判断でプラスできる準備をしませんか。また、同じ病気や同じ立場の人とつながる機会をプラスしてみませんか。
遺伝性疾患プラスは、そのお手伝いをするサイトです。

参考サイト

  • 菅野純夫先生

    遺伝性疾患プラス アドバイザー

    菅野純夫先生

    千葉大学 未来医療教育研究機構 特任教授、東京大学名誉教授。医学博士。1978年 東京医科歯科大学医学部卒業、1982年 東京大学大学院医学系研究科修了。東京大学医科学研究所助手、米ロックフェラー大学博士研究員、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター助教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授等を経て、2020年2月より現職。内閣官房 健康・医療戦略推進会議ゲノム医療協議会委員、文部科学省 ライフサイエンス委員会委員、日本学術振興会 産学協力総合研究連絡会議議長、日本医療研究開発機構 先端計測分析技術・機器開発プログラム スーパーバイザー、同機構 ゲノム医療実現推進プラットフォーム事業 先端ゲノム研究開発(GRIFIN)プログラム・オフィサー、同機構 臨床ゲノム情報統合データベース事業 プログラム・オフィサーなど公職多数。

  • QLife遺伝性疾患プラス編集長

    二瓶秋子

    2003年東京大学大学院医学系研究科で博士(医学)取得。 専門は分子免疫学およびゲノム医科学。大学教員・研究員としてがん、感染症、アレルギー等の教育、研究に15年間従事。その後、医療・ヘルスケア系IT企業で新規サービス立ち上げ等に参画しつつ、複数の医療情報メディアの記事編集・執筆を担当。新規メディア立ち上げも経験し、2019年からQLifeで医療情報メディアの編集を統括。