【きほんの質問】遺伝子治療の費用は?小児慢性特定疾病の助成対象?

遺伝性疾患プラス編集部

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「遺伝子治療の費用は実質どのくらいかかるのか、目安があれば、教えてください。小児慢性特定疾病も助成の対象となるのかも知りたいです」(匿名希望)

脊髄性筋萎縮症に対して、国内で保険診療の対象となっている、2種類の治療薬を例に挙げます。

2020年に国内承認された遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」は、薬価1億7千万円です。2歳までの治療が公費適用となっており、基本的には1回の治療で終了です。ゾルゲンスマよりも前の2017年に国内承認された核酸医薬の「スピンラザ」は、乳児型に対しては最初の9週に4回、その後は4か月に1回、髄腔内投与となります。

概算費用は、1年度が総額5592万円、2年目以降は毎年2796万円です。ゾルゲンスマで、スピンラザの薬価が参考とされたように、先行薬があれば、それを参考に薬価が検討されます。

先行薬がない場合には、国によって薬価選定が異なります。海外では新規性に対して価値がつきますが、国内では原材料の原価から計算されるため、低い薬価となるようです。

例えば、日本初の遺伝子治療製品「コラテジェン」の薬価は60万円でした。これは、日本での開発が滞る理由にもなります。

遺伝子治療をする疾患が小児慢性特定疾病であれば、助成の対象となります。

※座談会の内容は、2021年2月(収録当時)の情報です。