4p欠失症候群、顔立ちの特徴に関わる可能性がある遺伝子領域を発見

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 4p欠失症候群の症状や程度、4番染色体の欠失範囲は患者さんによりさまざま
  2. 患者さん10人分の「マイクロアレイ染色体検査」を実施
  3. 顔立ちなどの臨床的所見に関わる可能性がある遺伝子領域を発見

特徴的な顔貌の所見は「FGFRL1」の遺伝子領域に関わりがある可能性

東京女子医科大学は、難病「4p欠失症候群」について、発症に関わる遺伝子領域が2つあることを見つけ、また、顔立ちの特徴に関連する可能性がある遺伝子領域を発見したという研究の結果を発表しました。

4p欠失症候群は、4番染色体短腕末端が生まれつき欠失していることにより、発達の遅れ、成長障害、てんかんなどを生じる疾患で、出生数万人に1人に認められる希少疾患。厚生労働省から難病に指定されています。この疾患を初めて明らかにした研究者の名前から、「ウォルフ・ヒルシュホーン(Wolf-Hirschhorn)症候群」とも呼ばれます。

4p欠失症候群の症状や程度、4番染色体の欠失範囲は患者さんによりさまざまです。同大の研究グループは、遺伝子と臨床症状の相関について調査するため、10人の患者さんに協力を依頼し、染色体の欠失範囲の大きさを「マイクロアレイ染色体検査」という方法を用いて検討しました。

その結果、染色体の最末端から2Mb(メガ塩基)の領域に位置する「LETM1」と「WHSC1」という2つの遺伝子の領域が、臨床症状に最も重要であることがわかりました。また、この疾患における特徴的な顔立ちの所見は、それより末端寄りの「FGFRL1」という領域に責任領域があるとの可能性を示しました。(遺伝性疾患プラス編集部)

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