血友病Aに対する治療薬「イスパロクト静注用」、国内で発売

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 血友病Aに対する治療薬「イスパロクト(R)静注用」が発売された
  2. 重症型血友病A患者さん対象のグローバルな臨床試験で有効性を確認
  3. 米国、欧州でもすでに承認されている

体内で血液凝固活性を長時間維持できるようプログラムされた薬剤

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、「イスパロクト(R)静注用」(一般名:ツロクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組み換え))について、血友病A(血液凝固第VIII因子欠乏症)患者さんの出血傾向の抑制を効能・効果として、2019年9月に厚生労働省の製造販売承認を取得し、2020年1月29日から発売しました。

血友病は、血栓形成に必要なタンパク質のひとつの欠損あるいは機能低下により起こる遺伝性疾患です。この治療薬は、血友病A患者さんに対する補充療法のために開発された半減期延長型血液凝固第VIII因子製剤。体内で血液凝固活性を長時間維持できるようにプログラムされています。

臨床試験で重症型血友病A患者さんに対する安全性・有効性確認

この承認は、成人および小児の血友病Aの患者さんを対象とした大規模なグローバル臨床試験「pathfinder(TM)」の結果を踏まえたものです。試験は、治療歴のあるインヒビター(血液中の抗体)を保有しない重症型血友病A(内因性血液凝固第VIII因子活性が1%未満)患者さん270人(成人および青年期202人、小児68人)が対象。日本人の成人および小児の患者さん19人も試験に含まれました。

成人および青年期の患者さんで50国際単位/kgを4日に1回、12歳未満の小児患者さんでは60国際単位/kgを週2回、静脈内に定期的に投与され、また、出血時、手術時の投与における安全性および有効性も検討されました。結果、重症型血友病A患者さんの出血抑制に対し有効であることが示されました。忍容性が良好であり、5年以上使用後も安全性の問題は認められませんでした。

同薬は、2019年2月に米国で、2019年6月に欧州で、「Esperoct(R)」としてそれぞれ承認を取得しています。(遺伝性疾患プラス編集部)

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