米国、カナダ、欧州で実施した第3相臨床試験では発作回数の減少を確認
鳥居薬品株式会社は、米バイオクリスト社と、遺伝性血管性浮腫に対する新しい発作抑制薬について、日本における独占的販売権に関するライセンス契約を締結しました。
遺伝性血管性浮腫は、補体第1成分阻害因子(C1インヒビター)の欠損によりブラジキニンが過剰に産出されて発症する遺伝性の疾患。手足、顔面や消化器などさまざまな部位に突発的な浮腫(むくみ)が起こり、それに伴う腫れや腹痛などにより日常生活に影響を及ぼす疾患といわれています。
今回のライセンス契約の対象となる薬剤「BCX7353」は、ブラジキニン産生酵素のみを選択的に阻害することにより、遺伝性血管性浮腫の急性発作の予防が期待される新しい経口剤です。現在、バイオクリスト社が日本国内で第3相臨床試験を実施しており、同社が先に米国、カナダ、欧州で実施した第3相臨床試験においては、プラセボ(偽薬)に対してBCX7353による遺伝性血管性浮腫の発作回数の有意な減少が確認され、安全性に関しても、同剤の良好な忍容性が確認されています。
この薬は、希少疾病用医薬品及び先駆け審査指定制度対象品目の指定を受けており、バイオクリスト社は、第3相臨床試験実施結果等に基づき、2020年の第1四半期に製造販売承認申請を行う予定。また、製造販売承認取得後は、鳥居薬品が同剤の販売を行う予定です。(遺伝性疾患プラス編集部)