令和2年度当初、7品目に助成金交付決定
医薬基盤研究所(NIBIO)は7月9日、令和元年度に助成金交付申請のあった希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器または希少疾病用再生医療等製品について、次の7件に交付を決定したと発表しました。
1. (26薬)第328号「乾燥スルホ化人免疫グロブリン」(顕微鏡的多発血管炎における神経障害の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る))、帝人ファーマ(株)
2. (31薬)第430号「アバコパン」(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症)、キッセイ薬品工業(株)
3. (31薬)第442号「KP-100IT」(急性期における脊髄損傷進展抑制及び運動機能改善)、クリングルファーマ(株)
4. (31薬)第446号「システアミン塩酸塩」(シスチン症における角膜シスチン結晶の溶解)、マイランEPD(同)
5. (R2薬)第455号「Fostamatinib」(慢性特発性血小板減少性紫斑病)、キッセイ薬品工業(株)
6. (30再)第9号「SB-ADSC-01」(脊髄小脳失調症の臨床症状の進行抑制)、(株)リプロセル
7.(31再)第13号「HLCM051」(急性呼吸窮迫症候群(ARDS))、(株)ヘリオス
※(指定番号)「指定を受けた医薬品、医療機器または再生医療等製品の名称」(予定される効能効果、使用目的または性能等)、申請者の名称、の順。
なお助成額は、品目名と同時に公開することで、開発遅延や進展など開発の進捗状況等が明らかになり、製造販売承認申請の時期の憶測等、株価への影響が否定できないため、公開されていません。
開発振興でアンメット・メディカルニーズに応える
難治性疾患を対象とする医薬品、医療機器、再生医療等製品は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、開発がなかなか進みません。その理由のひとつとして、患者数が少ないことから研究開発投資の回収が困難なことが挙げられます。こうした現状を踏まえて厚生労働大臣は、一定の条件を満たした医薬品、医療機器および再生医療等製品、その開発企業および予定される効能・効果等を希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器または希少疾病用再生医療等製品に指定し、開発振興につなげています。
厚生労働大臣の指定を受けた品目に関し、NIBIOは当該開発企業からの助成金交付申請を年に2回(年度当初および年度途中)受け付けています。NIBIOは、申請受け付け後、試験研究の内容、目的、経費、試験計画等を調査した上で、その試験研究に必要な経費に充てるための助成金を交付しています。今回の7品目は、令和2年度、年度当初に交付が決定した品目です。(遺伝性疾患プラス編集部)