遺伝性血管性浮腫患者さん212人対象に有効性を検証
武田薬品工業株式会社は、遺伝性血管性浮腫(以下、HAE)の患者さんに対し、「TAKHZYRO(R)」(一般名:ラナデルマブ、lanadelumab-flyo)を検証した第3相臨床試験(HELP試験)の非盲検延長試験の最終結果を発表しました。
HAEは、腹部、顔面、足、性器、手、喉など、体のさまざまな部分で浮腫の発作(腫れ)を繰り返し引き起こす遺伝性疾患。腫れは体を衰弱させ痛みを伴うことがあり、のどが腫れる発作は窒息を引き起こす可能性があります。
HELP試験は、12歳以上の125人の患者さんを対象に、26週間にわたってラナデルマブを皮下投与し、安全性と有効性についてプラセボ(偽薬)と比較した試験です。125人のうち109人が約2年半にわたる非盲検延長試験に進みました。また、103人の新たなHAE患者さん(12週間に1度以上の発作を起こす人)もこの非盲検延長試験に参加しました。
ラナデルマブ投与で発作回数減少、発作抑制期間を延長
解析の結果、HAE関連の発作の平均発現率は、全体でベースライン(試験開始前の状態)から87.4%低下しました。また、ラナデルマブ300mgによる治療を2週毎に受けた患者さん209人の70%近く(68.9%)で、発作のない期間が12か月を超えたこともわかりました。安全性については、これまでに報告されていたものと一致していました。
ラナデルマブは、12歳以上のHAE患者さんにおける再発性発作の標準的予防薬としてEUおよびオーストラリアで承認されています。また、米国では12歳以上のHAE患者における発作予防薬として、カナダでは12歳以上のHAE患者における発作の標準的予防薬として承認されています。