遺伝子治療後の観察、小児の患者さんでは長期間に
国立成育医療研究センターと3Hクリニカルトライアル株式会社は、遺伝子治療を受けた患者さんの長期フォローアップの支援を目的に、システムおよびモバイルアプリの開発を始めます。
遺伝子治療を受けた患者さんは、治療の安全性と有効性を観察していくことが重要です。特に小児の患者さんの場合、観察は大人になるまで長期間続きます。
そこで今回、その支援のために、3Hクリニカルトライアル社が開発したePRO(電子患者日誌)システム「3H P-Guardian」の基盤を利用し、患者さんや家族が日々の生活活動を適時・的確に記録できる、また、主治医など医療機関からの関連情報を速やかに入手できるシステムを開発することになりました。
遺伝子治療は新たな治療選択肢の1つに
難治性疾患が集中する小児病院では、入院する小児の患者さんの約半数が遺伝性疾患をもつとされ、今後、遺伝子治療は、新たな治療選択肢の1つになると考えられています。2019年にはB細胞性急性リンパ芽球性白血病とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の遺伝子治療が、また、2020年には脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療が開始されました。
今回のシステムが開発されれば、そのシステムを介して遺伝子治療を受けた患者さんやご家族と主治医などが密接に連携し、成人期までの長期に渡るフォローアップをしっかりと受けられることが期待されます。(遺伝性疾患プラス編集部)