ゴーシェ病治療用酵素製剤「ビプリブ」、医師による在宅投与が可能に

遺伝性疾患プラス編集部

  • 2021.03.09 公開

POINT

  1. ビプリブは、ゴーシェ病の酵素補充療法のための注射薬
  2. 医師または医師の指示を受けた看護師によるビプリブの在宅投与が認められた
  3. 日本先天代謝異常学会からの要望書には、通院に伴う新型コロナへの不安も記載

ゴーシェ病の酵素補充療法を目的とした注射薬「ビプリブ」

武田薬品工業株式会社は、ゴーシェ病治療用酵素製剤ビプリブ(R)点滴静注用400単位(一般名:ベラグルセラーゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下、ビプリブ)が、3月5日に保険医が投与できる注射薬の対象薬剤に追加されたことを発表しました。

ゴーシェ病は、ライソゾーム病として知られる遺伝性の希少疾患のひとつ。グルコセレブロシダーゼという酵素の活性が、先天的に低下している、あるいは欠損していることにより、糖脂質(グルコセレブロシド)が組織に蓄積し、肝脾腫、貧血、血小板減少、骨症状、神経症状などの症状をきたす病気です。

ビプリブは、ゴーシェ病に対する酵素補充療法を目的としたヒトグルコセレブロシダーゼの酵素製剤で、ライソゾームに蓄積したグルコセレブロシドを分解します。効能・効果は「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善」です。ビプリブは遺伝子活性化技術によりヒト細胞株から産生され、ヒト生体内酵素であるグルコセレブロシダーゼと同じ構造(アミノ酸配列)を有しています。

在宅で保険医による注射が可能に

今回の追加は、在宅自己注射の対象薬剤に係る運用基準(2020年12月23日中医協総会において承認)および2021年1月27日付の日本先天代謝異常学会からの要望書等を踏まえて行われたもので、ビプリブを含むライソゾーム病8疾患に対する11製剤が追加されました(2021年2月10日中医協総会了承)。自己注射は認められていませんが、「保険医が投薬することができる注射薬の対象薬剤への追加に当たっても、本運用基準を準用する」と定められており、医師または医師の指示を受けた看護師によるビプリブの在宅投与が可能となりました。

日本先天代謝異常学会からの要望書には、ライソゾーム病の患者さんは定期的な投与が必要で通院の負担が大きいこと、欧州、南米・北米の諸国などでは酵素補充療法は在宅医療の対象となっていること、新型コロナウイルス感染拡大下において通院に伴う感染リスクに対する患者さんの不安があることが背景として記載されています。(遺伝性疾患プラス編集部)

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