令和3年度、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品試験研究助成金交付の10品目が決定

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. NIBIOは、希少疾病用医薬品/医療機器/再生医療等製品のうち10品目に助成金交付を決定
  2. 8品目は希少疾病用医薬品、2品目は希少疾病用再生医療等製品
  3. 遺伝性血管性浮腫、シスチン症、先天性胆汁酸代謝異常症、GNEミオパチー、脊髄小脳失調症等に対する品目

令和3年度当初、10品目に助成金交付決定

医薬基盤研究所(NIBIO)は7月8日、令和3年度に助成金交付申請のあった希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器または希少疾病用再生医療等製品について、次の10件に交付することを決定したと発表しました。

  1. (26薬)第338号「icatibant」(遺伝性血管性浮腫の急性発作)、武田薬品工業(株)
  2. (31薬)第442号「KP-100IT」(急性期における脊髄損傷進展抑制及び運動機能改善)、クリングルファーマ(株)
  3. (31薬)第446号「システアミン塩酸塩」(シスチン症における角膜シスチン結晶の溶解)、マイランEPD(同)
  4. (R2薬)第455号「Fostamatinib」(慢性特発性血小板減少性紫斑病)、キッセイ薬品工業(株)
  5. (R2薬)第481号「コール酸」(先天性胆汁酸代謝異常症)、(株)レクメド
  6. (R2薬)第484号「サルグラモスチム(遺伝子組換え)」(自己免疫性肺胞蛋白症)、ノーベルファーマ(株)
  7. (R2薬)第491号「シロリムス」(難治性脈管腫瘍・脈管奇形)、ノーベルファーマ(株)
  8. (R3薬)第501号「アセノイラミン酸」(GNEミオパチーによる筋力低下の進行抑制)、ノーベルファーマ(株)
  9. (30再)第9号「SB-ADSC-01」(脊髄小脳失調症の臨床症状の進行抑制)、(株)リプロセル
  10. (31再)第13号「HLCM051」(急性呼吸窮迫症候群(ARDS))、(株)ヘリオス

※指定番号「指定を受けた医薬品、医療機器または再生医療等製品の名称」(予定される効能効果、使用目的または性能等)、申請者の名称、の順。

なお助成額は、品目名と同時に公開することで、開発遅延や進展など開発の進捗状況等が明らかになり、製造販売承認申請の時期の憶測等、株価への影響が否定できないため、公開されていません。

厚労大臣の指定を受けた品目に助成金交付で開発振興へ

難治性疾患を対象とする医薬品、医療機器、再生医療等製品は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、開発がなかなか進みません。その理由のひとつとして、患者数が少ないことから研究開発投資の回収が困難なことが挙げられます。こうした現状を踏まえて厚生労働大臣は、一定の条件を満たした医薬品、医療機器および再生医療等製品、その開発企業および予定される効能・効果等を希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器または希少疾病用再生医療等製品に指定し、開発振興につなげています。

厚生労働大臣の指定を受けた品目に関し、医薬基盤・健康・栄養研究所は当該開発企業からの助成金交付申請を年に2回(年度当初および年度途中)受け付けています。同研究所は、申請受け付け後、試験研究の内容、目的、経費、試験計画等を調査した上で、その試験研究に必要な経費に充てるための助成金を交付しています。今回の10品目は、令和3年度、年度当初に交付が決定した品目です。(遺伝性疾患プラス編集部)

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