血友病A治療薬「オルツビーオ」発売、週一の投与で高い出血抑制効果

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 新しいクラスの血友病A治療薬「オルツビーオ」を発売
  2. 従来の血液凝固第VIII因子製剤は、治療の負担が大きく、出血抑制効果が不十分だった
  3. オルツビーオは週1回の投与で週の大半にわたり高い活性を維持できる薬

高活性維持型の血液凝固第VIII因子製剤を発売

サノフィ株式会社は11月22日、新しいクラスの血友病A治療薬として、高活性維持型血液凝固第VIII因子製剤「オルツビーオ(R)」静注用250/500/1000/2000/3000/4000(一般名:エフアネソクトコグ アルファ、以下:オルツビーオ)を発売したと発表しました。

血友病Aは、血液凝固因子第VIII(8)因子が欠乏し血液が凝固する機能が損なわれることで、さまざまな症状が見られる遺伝性疾患。関節における過度の出血や自然出血が生じることで、関節障害や慢性疼痛などが生じ、生活の質が低下することもあります。

これまでの血友病A治療における血液凝固第VIII因子製剤は、週2~3回の静脈注射による投与が必要で治療の負担が大きい事や、出血抑制効果が十分ではないことが課題となっていました。

12歳以上の重症患者さんで従来の治療法より有意に出血抑制

オルツビーオは、週1回の投与で週の大半にわたり正常からほぼ正常範囲に高い活性を維持することができることが特徴です。臨床試験では、12歳以上の重症血友病A患者さんに対して、従来の血液凝固第VIII因子製剤による定期補充療法と比べ有意に出血を減少させました。

オルツビーオは、米国で2023年2月に、続いて台湾で8月に承認されています。それに先立ち、2017年8月にオーファンドラッグ、2021年2月にファストトラック、2022年5月にブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定されました。欧州では2019年6月にオーファンドラッグに指定され、2023年5月に承認申請されています。(遺伝性疾患プラス編集部)

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