遺伝性疾患とは

遺伝性疾患(Genetic Disorders)とは、遺伝情報の変化により引き起こされる病気(※注)をいいます。
人間は、約30億もの膨大な文字列(DNA配列)からなる遺伝情報を持っています。

人間の遺伝情報
人間の遺伝情報

遺伝情報に起こり得る変化は、大きいもの(染色体全体)から小さいもの(1文字のDNA配列)までさまざまです。

遺伝情報に起こり得る変化
遺伝情報に起こり得る変化

そのため、遺伝性疾患は、1つの遺伝子の変異で発症する病気、複数の遺伝子の変異が重なると発症する病気、遺伝子の変異と環境的な要因の組み合わせで発症する病気、染色体の全体や一部の構造が変化して起こる病気など、多岐にわたります。

※注

どの病気が遺伝性疾患で、どの病気は違うのかといった遺伝性疾患の範囲については、医学の進歩により、歴史的に変化してきました。そのため、具体的にどの疾患が遺伝性疾患であるのかについては、現在でもさまざまな議論があります。
遺伝性疾患プラスでは、原則として遺伝的継承性がある疾患、もしくは、体を構成するどの細胞にも原因となる遺伝情報の変化が見られる疾患を遺伝性疾患として扱います。このため、紫外線やたばこなどで後天的に発症する体細胞がんは、遺伝性疾患に含めません。
上記のように決めたため、従来は遺伝性疾患に入らないとされてきた下記のような疾患についても、遺伝性疾患プラスで取り扱うことがあります。その場合には、記事の中にその旨を明記します。

  • ダウン症候群など染色体トリソミーで起こる疾患や、ターナー症候群など染色体モノソミーで起こる疾患
  • 一部が遺伝性で一部が遺伝性ではない(散発性)とわかっている疾患
  • 一部の遺伝性のがん
  • 既にわかっている例外的な状況(体細胞モザイクなど)がある疾患

参考サイト

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