遺伝性血管性浮腫(HAE)急性発作発症抑制薬、「ベリナート皮下注用2000」が発売

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. HAE急性発作の発症抑制を効能・効果として2022年9月に日本で承認された薬
  2. 週2回、自宅で自己注射での投与が可能な製剤
  3. 海外および国内の第3相臨床試験で有効性と安全性を確認

HAE患者さんで不足した血中C1インヒビターを補充する薬

CSLベーリング株式会社は11月21日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制を効能・効果として9月に厚生労働省より製造販売承認されていた、「ベリナート皮下注用2000」(一般名:乾燥濃縮人C1-インアクチベーター)の販売を開始したことを発表しました。

HAEは、主に遺伝子の変異による、血液中のC1インアクチベーター(インヒビター)の低下もしくは機能異常が原因で起こる病気。同製剤は、HAE患者さんで不足した血中C1インアクチベーターを補充し、安定的に維持することを可能にする薬で、自宅で自己投与することが可能です。用法・用量は「本剤を添付の溶解液全量で溶解し、皮下投与する。通常、1回体重1kg当たり60国際単位を週2回投与する」。世界では2017年に販売開始以来、米国、欧州、オーストラリアなど、30以上の国や地域で販売されています。

臨床試験で、HAEの発作頻度はベリナート投与群で低い

同製剤は、海外および国内の第3相臨床試験で有効性と安全性が確認されています。第3相COMPACT試験では、HAEの発作頻度はベリナート投与群(60 IU/kg)で0.52回/月、プラセボ群4.03回/月と、ベリナート投与群の有効性が示されました。

同社は、「HAE患者さんにとって有力な新たな選択肢となると確信しています」と、コメントしています。(遺伝性疾患プラス編集部)

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