高校生が希少・難治性疾患を学び考える機会、Rare Disease Dayの取り組み

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 世界希少・難治性疾患の日(RDD)では、高校生向けのイベントも開催
  2. 高校生たち自らが企画を考え、RDDの紹介など啓発活動を実施
  3. 高校生や当事者らが一緒に参加する「全国⾼校⽣RDDサミット」も

高校生が取り組むRDDの活動をご紹介

毎年2月最終日は、世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day:RDD)。2023年のRDDが近づいてきました。毎年、日本でもRDD月間の2月を中心に、さまざまな希少・難治性疾患の当事者支援団体によるイベントが全国で開催されています。RDDに関わるイベントの企画や運営を行うRDD Japan事務局は、NPO法人ASrid内に設置されています(詳しいご紹介は、コチラの記事から)。

皆さんは、RDD Japan事務局が中学生・高校生向けにもさまざまな取り組みを行っているのをご存知でしょうか?さらに、高校生たち自らがイベントなどを企画し、希少・難治性疾患の疾患啓発活動を行っている事例もあると言います。今回の記事では、高校生向けのRDDの取り組みをご紹介します。

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高校生向けのRDDの取り組み

ウェビナーやStudy Tourを通じて、希少・難治性疾患を学ぶ

RDD⽇本開催事務局は、2019年から高校生向けのRDDイベントを開催しています。具体的には、現地での講演会、ウェビナー(オンラインでのセミナー)、交流会、各校リクエストに沿ったStudy Tourなどを開催。RDD2022では、全国5つの⾼校でRDD公認イベントが実施されました。

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RDD2022、全国5つの⾼校でRDD公認イベントを実施

高校生向けの取り組みを始めた理由としては、初めて希少・難治性疾患に触れる⾼校⽣に、同疾患を取り巻く実情や、自らが関わることによって課題解決等ができる可能性などを知ってもらうことなどがあるそうです。そのため、Study Tourやウェビナーでは、当事者・ご家族、医療従事者、研究者、企業、メディアといったさまざまな立場の方々のお話を高校生たちが聞く機会を設けています。実は、遺伝性疾患プラス編集部も、RDD2023に向けたウェビナーで高校生たちにお話する機会をいただきました。

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過去のウェビナーの様子

また、希少・難治性疾患を学んだ⾼校⽣たちが、自らRDDイベントを企画・実施する活動も行われています。具体的には、市役所や校内でRDDに関わるパネル展⽰を行ったり、全校⽣徒や近隣の高校向けにRDDの紹介や学びを発表したりしているそうです。こういった取り組みを通じて、「現実的課題だけでなく領域の可能性を考えることができた」「知識を得るだけでなく、解決のためにアクションができた」「⾃分の進路に関連付けながらRDDを考えることができた」といった声が届いているそうです。

全国⾼校⽣RDDサミット、第2回は23年3⽉に開催

⾼校⽣たちが、企画・実施するRDDイベントの一つに「全国⾼校⽣RDDサミット」があります。このサミットは、高校生だけでなく、当事者を含む地域の市民の方々も一緒に、希少・難治性疾患や地域社会・地域医療の課題・未来を語り合うイベントです。全国⾼校⽣RDDサミットの第1回目は、2022年7月に山形県の会場(現地)とオンラインを併用して開催されました。⾼校⽣が当事者・市民の皆さんと一緒に、RDDの今後や地域医療とのつながりについて議論したそうです。

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全国⾼校⽣RDDサミット第1回目の様子

第2回目の全国⾼校⽣RDDサミットは、2023年3⽉に大阪で開催予定です。こういった取り組みを通して、より多くの⾼校⽣や当事者・市⺠の方々にRDD活動や地域社会・地域医療を考える活動を広めていきたいとしています。

毎年2月を中心に、さまざまなイベントが開催されるRDD。2023年のRDDでは、当事者やご家族はもちろん、高校生たちからもさまざまな発信が行われることが期待されます。(遺伝性疾患プラス編集部)

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