脊髄性筋萎縮症の経口治療薬「エブリスディ」、国内で販売開始

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. SMAの経口治療薬「エブリスディ」が国内で販売開始
  2. 「SMN2スプライシング修飾剤」という、体内のSMNタンパク質を増加させ維持する薬
  3. 経口剤のため在宅治療が可能

6月に承認、8月12日に薬価収載と同時に販売開始

2021年6月23日に国内製造販売承認を取得した、脊髄性筋萎縮症(SMA)の経口治療薬「エブリスディ(R)ドライシロップ60mg」(一般名:リスジプラム)が、8月12日に薬価収載され、同日、中外製薬株式会社より販売開始となりました。

SMAは乳幼児では最も頻度の高い遺伝性の神経筋疾患で、脊髄の運動神経細胞の変性によって筋萎縮や筋力低下を示します。SMAの原因遺伝子はSMNタンパク質の設計図となるSMN1遺伝子とSMN2遺伝子です。SMAは、SMN1遺伝子が働けなくなっていることに加え、SMN2遺伝子のみでは十分量のSMNタンパク質が作られないために発症します。

エブリスディは、「SMN2スプライシング修飾剤」という種類のSMA治療薬。運動神経と運動機能の維持に重要なSMNタンパク質の量を増加させ、維持することでSMAを治療するよう設計されています。

1日1回、食後に経口投与

用法・用量は、通常、生後2か月以上2歳未満の患者さんにはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与となっています。また、通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与となっています。薬価は、1瓶97万4,463.70円。

中外製薬代表取締役社長CEOの奥田修氏は、「脊髄性筋萎縮症に対する初の経口薬であるエブリスディを発売できることを大変嬉しく思います。エブリスディは、乳児から成人までの広い年齢層で有効性を示しており、経口剤のため在宅治療が可能です。SMAの方々とご家族の皆様に、新たな治療選択肢によるこれまでにない価値をお届けできるよう、適正使用の推進に努めてまいります」と、述べています。(遺伝性疾患プラス編集部)

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