【叶える願い決定!】遺伝性疾患プラス1周年記念イベント

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

    応募された、たくさんの願いの中から選ばれたのは…!?

    遺伝性疾患プラス・サイトオープン1周年を記念して開催となった、遺伝性疾患患者さん・ご家族の「願い」を叶えるイベント。5月に募集をさせて頂いたところ、多くの方々からたくさんのご応募を頂きました。まずは、願いをご応募頂いた皆さまに、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

    今回ご応募頂いた願いは、一つひとつの願い全てにエピソードがあり、さまざまな想いが込められていました。そんな願いの中から、1つだけの願いを決定することは、とても困難なことでした。遺伝性疾患プラスとCaNoW(カナウ)で何度も話し合い、また、数名の方には直接ヒアリングを行うなどさせて頂きながら、時間をかけてついに1つの願いを決定するに至りました。

    ※グループ会社のエムスリー株式会社が展開する、『病や障がいと共にある方』の願いをかなえるプロジェクトです。

    厳正なる選定の結果、今回、叶えさせて頂くことになったのは、ムコ多糖症II型の患者さん(お子さん)とご家族の願いとなりました。その願いとは…?願いの詳細や、実際に願いを叶えている様子などを含めて、後日、記事でご紹介する予定です。どうぞお楽しみに!

    今回、ご応募頂き、惜しくも叶える対象とならなかった願いについて、編集部としても「できる範囲で何とかお手伝いしたい!」という気持ちでいっぱいです。可能な限り、今後の企画等に反映させて頂く方向で検討させて頂ければと考えています。改めて、今回ご応募頂いた皆さま、また、SNS等でイベントをご紹介頂いた皆さま、誠にありがとうございました。

    それでは、今回、願いを叶えさせて頂く中西さまをご紹介させて頂きます。

    息子さんがムコ多糖症II型の診断、「人生を全力で楽しませてあげたい」と決意

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    中西さんご一家

    息子さん(5歳)が、ムコ多糖症II型

    ※ムコ多糖症は、「ライソゾーム病」の一種。ライソゾーム病は、ライソゾームという「細胞内小器官」の中にある酵素の働きに異常が生じることで、ライソゾームの中に不要物が溜まり、引き起こされる病気の総称です。

    Twitter:https://twitter.com/crm421524


    どのようなきっかけで、ムコ多糖症II型の診断を受けられたのですか?

    きっかけは、幼稚園の先生から「加配(かはい)保育士の先生をつけましょう」とお話し頂いたことでした。

    ※障害を持つ子どものサポートをするために、通常の配置基準に追加して配置される保育士のこと。

    申請に必要な書類を揃えるため、小児科の病院を受診したんです。そこで、医師から「何かの病気の可能性があります」と、お話がありました。大きな病院で詳しい検査をすることになり、結果的にムコ多糖症II型と診断されました。2020年秋頃のことです。

    振り返ってみると、背中の蒙古斑(もうこはん)、大きないびき、などの症状は現れていましたが、ムコ多糖症でない子どもでも現れるような症状だったため、あまり気に留めずに生活していました。

    ※生まれつき見られる青あざ

    一方で、「他の子どもと、少し違うかも」とは感じていました。例えば、幼稚園では、気分が乗らない時にうまく行動できなかったり、トイレトレーニングに少し苦戦したりしていました。幼稚園の先生から、加配保育士のお話があったのも、こういったことがあったためです。

    診断を受けるまで、「ムコ多糖症」という病気はご存知でしたか?

    いいえ、名前も聞いたことがなかったです。ただ、医師から病気の説明を受けている時、医師の話している雰囲気から「あ、これは怖い病気なのかな…」と、感じたことは覚えています。

    診断を受けた帰りの車の中で、「病気のこと、調べたくないな…でも、調べるしかない」と、恐る恐るネットで調べました。

    ネットで「ムコ多糖症」のことを調べてみて、いかがでしたか?

    とにかく、情報を見つけることが本当に大変でしたね。日本語の記事はわずかで外国語の記事が多く、英語、ドイツ語、フランス語、など、日本語以外の記事であっても必死になって読みました。そして、調べれば調べるほど、寿命に関する情報など、悲しくなるような情報ばかり出てきて、つらかったです。

    また、ムコ多糖症は希少疾患なので、医師に尋ねてもわからない情報が多く、もどかしい気持ちになりました。自分たちが「欲しい」と思う情報に、なかなかたどりつけないような状態だったんです。

    欲しいのにたどりつけなかった情報というのは、どういった内容でしょうか?

    例えば、他のムコ多糖症患者さんたちがどのような人生を歩まれたのか、といった情報です。もちろん個人差はありますが、何歳の時にどのような状態だったのかなど、経過に関するリアルな情報が欲しかったんです。

    名前も知らなかったような病気で、医師も何とか情報を探してくださっている状態でしたから、不安で仕方なかったのだと思います。

    ムコ多糖症に関する情報を知りたいという一心で、Twitterも新たに始めました。同じ病気を抱える方やそのご家族とつながり、情報を得たいと考えたからです。今回の遺伝性疾患プラスのイベントも、Twitterを通じて知りました。

    Twitterがきっかけで、イベントを知ってくださったんですね。そこから、どのようにして参加を決意されたのですか?

    「他の子どもより短い命なのであれば、息子が生きている時間は全力で楽しませてあげよう」と、決めたからです。

    最初、息子がムコ多糖症II型だとわかったばかりの頃は、夫婦でずっと泣いていました。ただ、その中で思ったのは、「少しでも、息子の時間をむだにしたくない」ということです。

    診断を受ける前だったら、こういったイベントを見つけても「応募しよう」とは思わなかったかもしれません。だけど、病気がわかった今、迷わず応募しました。

    ただ、まさか1名に選ばれるとは思っていなかったので、本当にビックリしています…!

    それでは最後に、イベント参加への意気込みについて教えてください。

    今回のイベントを、楽しみたいと思います!

    病気によって、これから、どんどん息子の体が不自由になっていくと聞いています。だから、「息子の体が自由に動くうちに、できることをさせたい」と思ったことも、今回の応募を決意した理由の一つです。

    今回の願いが実現した時、息子が喜んでくれたら本当にうれしいですね。


    中西さんご家族の願いとは…?

    願いを叶える時期は、10月以降を予定しています(緊急事態宣言などの状況を踏まえて、変更となる場合がございます)。願いの詳細については、後日、記事を通じてご報告させて頂きますので、楽しみにお待ち頂ければと思います。(遺伝性疾患プラス編集部)

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