SMAを含む3疾患の新生児スクリーニング検査用試薬
株式会社島津製作所は、子会社である島津ダイアグノスティクス株式会社が、新生児スクリーニング検査のPCR試薬キット「TKSneoFinder」を国内の受託検査機関向けに販売したと発表しました。
新生児スクリーニング検査は、疾患を発症する可能性を調べることで早期に治療を行うことができるようにするための検査です。
TKSneoFinderは、新生児の血液から重症複合免疫不全症(SCID)、B細胞欠損症(BCD)、脊髄性筋萎縮症(SMA)の3つの疾患について、SCID、BCDはT細胞受容体遺伝子再構成断片、Igκ鎖遺伝子再構成断片を、SMAは原因遺伝子「SMN1」の欠失の有無を測定して、それぞれの疾患発症リスクを検査します。
これらの3つの疾患は、適切な診断・治療が遅れると重篤な状態になることもあるため、発症前に発見し、治療や投薬を開始することが重要となります。
臨床向け試薬の品質管理・安定供給の研究成果を活かし製品化
この製品は、防衛医科大学校小児科学の今井耕輔教授らの研究により、臨床向け試薬の品質管理・安定供給に関する知見を活かして製品化され、冷蔵保管可能で、試薬の調整が不要なため、簡便に正確で安定した検査結果が得られることを特徴としています。
2023年7月時点で、SCID、BCD、SMAのスクリーニング検査を実施する自治体は33都道府県まで増加しています。同社は検査の全国的な普及に貢献するため、同製品の販売に加え、2023年度内に受託分析子会社において、スクリーニング検査を自治体などから請け負う受託検査事業を開始すると報告しています。(遺伝性疾患プラス編集部)