遺伝性血管性浮腫、急性発作を抑える新薬「アナエブリ皮下注200mgペン」が国内承認

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作に対する治療薬「アナエブリ」が国内で承認取得
  2. 浮腫形成を引き起こす反応の上流を阻害するモノクローナル抗体医薬品
  3. 月1回の皮下注射薬、オーストラリア、英国、欧州に続く承認

全身のさまざまな部分の浮腫発作を特徴とする遺伝性疾患

CSLベーリング株式会社は2025年2月20日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制を効能・効果として、ヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体「アナエブリ(R)皮下注200mgペン」(一般名:ガラダシマブ(遺伝子組換え)以下、アナエブリ)が厚生労働省に製造販売承認されたと報告しました。

遺伝性血管性浮腫は、お腹、のど、顔、手足など全身のさまざまな部分が繰り返し突然に腫れる(浮腫)発作を特徴とする遺伝性疾患です。発作は、痛みを伴うこともあり、またのどなどが腫れると、飲み込みづらくなるだけでなく、窒息など命に関わることもあります。

アナエブリは、活性化第XII因子を標的とするヒト型モノクローナル抗体で、第XII因子の活性を抑えることで浮腫形成を引き起こす一連の反応の上流を阻害し、この病気の浮腫発作を予防するように設計されています。

月1回皮下注射の使いやすいプレフィルドペン製剤

アナエブリの承認は、国際共同第3相臨床試験「VANGUARD試験」と、その非盲検延長試験での有効性と安全性のデータに基づいて行われました。2025年2月までに、アナエブリはオーストラリア、英国、欧州で承認を取得しており、日本での承認はこれに続くものとなっています。

同剤は月1回投与のプレフィルドペン製剤で、用法および用量として、通常、成人および12歳以上の小児に、初回に400mgを皮下投与し、以降は200mgを月1回皮下注射します。

同社研究開発部門のローズ・フィダ博士は、「アナエブリは、新たな作用機序に加え、月1回の皮下投与と使いやすいプレフィルドペンにより、日本における遺伝性血管性浮腫の治療を大きく変えることが期待される」と述べています(遺伝性疾患プラス編集部)

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