エクソン44スキッピングの治療可能な遺伝子変異を持つDMD患者さん対象
日本新薬株式会社は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象として開発を進めている「NS-089/NCNP-02」について、厚生労働省から先駆的医薬品指定および希少疾病用医薬品指定を受けたと報告しました。これらの指定により、薬事審査において優先審査品目として取り扱われるとともに、開発などに対してさまざまな支援措置を受けることが可能となることから、この医薬品の開発が進むと期待されます。
DMDは、筋ジストロフィーの病型の一つで、筋肉細胞を支えるジストロフィンタンパク質の欠損が原因で、骨格筋・心筋・呼吸器の筋力低下を引き起こす進行性の遺伝性疾患です。NS-089/NCNP-02の対象となるのは、DMDの中でもエクソン44スキッピングによる治療が可能な遺伝子変異が確認された患者さんです。
NS-089/NCNP-02は、同社と国立精神・神経医療研究センターの共同研究から見出されたアンチセンス核酸です。NS-089/NCNP-02投与によりジストロフィン遺伝子の一部の遺伝情報が読み飛ばされることで、長さがやや短いけれども機能は有しているジストロフィンタンパク質が産生され、それにより筋機能低下が抑制される効果が期待できます。
治療薬の画期性・対象疾患の重篤性・高い有効性などの条件を満たした医薬品を指定
先駆的医薬品指定制度とは、患者さんにより早期に画期的な医薬品を届けるために薬事審査プロセスの期間短縮を図った制度で、指定されるためには「治療薬の画期性」「対象疾患の重篤性」「対象疾患に係る極めて高い有効性」「世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思・体制」の4つの要件を満たした医薬品であることが条件となります。
また、希少疾病用医薬品は、国内での対象患者数が5万人未満かつ医療上特にその必要性が高い疾患であることなどが指定されるための条件となります。(遺伝性疾患プラス編集部)