【1周年記念イベント】いま楽しく生きることを全力で―ムコ多糖症II型とともに

遺伝性疾患プラス編集部

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遺伝性疾患プラス・サイトオープン1周年を記念した、遺伝性疾患患者さん・ご家族の「願い」を叶えるイベント。ご応募頂いたさまざまな願いの中から、ムコ多糖症II型の患者さんご家族の願いを、CaNoW(カナウ)の協力のもと、叶えさせて頂くことになりました

※グループ会社のエムスリー株式会社が展開する、『病や障がいと共にある方』の願いをかなえるプロジェクトです。

今回叶えたのは、「大好きな象と遊びたい!」という願い。市原ゾウの国にご協力頂き、さまざまな象と触れ合って頂きました。その様子はもちろん、病気と向き合うご家族の想いについてもご紹介させて頂きます。

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中西さんご一家

ゆいとくん(5歳)がムコ多糖症II型

2021年12月で6歳になる。

※ムコ多糖症は、「ライソゾーム病」の一種。ライソゾーム病は、ライソゾームという「細胞内小器官」の中にある酵素の働きに異常が生じることで、ライソゾームの中に不要物が溜まり、引き起こされる病気の総称です。

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身体が自由に動くうちに、大好きな象と遊びたい

生き物が大好きな、ゆいとくん。その中でも、特に大好きなのが象なのだそうです。象に会うためだけに動物園にも行くこともあるほど大好きで、当日も、お気に入りの象のフィギュアを持って来てくれました。

そして、「本人も楽しみにしていたので、今日が楽しみです」と、お父さん。今回、遺伝性疾患プラスの1周年イベントにご応募頂いたのは、「息子が生きている時間を、全力で楽しませてあげよう」という想いからだったと言います。普段行っている動物園では、象を見るだけで、直接象と触れ合うことはできません。ゆいとくんの身体が自由に動くうちに「象と遊ぶことができたら」と考え、今回応募してくださいました。

大好きな象を近くで…!大興奮の一日

市原ゾウの国には、国内飼育数最多の10頭の象がいます。かわいらしい子どもの象から、迫力のある大人の象まで、さまざまな象を見ることが可能。また、園内には、象だけでなく、さまざまな動物たちがいます。園内で販売しているおやつを直接あげることできるなど、動物たち触れ合いの場が多いのも、魅力の一つです。

ゆいとくんも、こんなに近くで象と触れあうことができました。

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ゆいとくん、大好きな象とご対面!

象の鼻につかまって持ち上げてもらう体験では、ゆいとくんの代わりにお母さんたちが体験(象のあまりの迫力に、ゆいとくんはお父さんの抱っこで何とか接近)。編集部も思わず、「すごい…!」と言ってしまうほどの大迫力でした。

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お母さんを軽々と持ち上げた象と、中西さんご家族

ちなみに、象たちはショーで、鼻を使った絵描きも披露してくれました。色鮮やかな絵で、ゆいとくんやご家族も、楽しく見ていましたよ。

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象たちが鼻を使って描いた絵

心を強く持ち、これからも精一杯楽しく生きていきたい

象との触れ合いを終えて、最後、お母さんにお話を伺いました。

実際に、象と触れ合うゆいとくんの様子をご覧になっていかがでしたか?

とても喜んでましたね!息子なりに、楽しめたのではないかと思います。

近くで見る象は本当に大きくて、そして可愛かったですね。私も、あんなに近くで象を見たのが初めてだったので、うれしかったです。

遺伝性疾患と関わる全ての方々へメッセージをお願いします。

息子がムコ多糖症II型という事実は、正直、今でもとても悲しいです。自分の命より大切に思っている息子が病気で、自分より先に死んでしまうかもしれないという事実。これ以上つらい出来事なんて、ないのではないかと思うのです。でも、1番つらいのは息子なのだろうとも思います。

私自身は、病気ではありません。そのため、病気を持つ息子の気持ちを完全に理解することはできないです。息子を育て、一緒に寄り添って生きていくことくらいしかできません。それでも私は、「心を強く持ち、自分の置かれた場所で精一杯楽しく生きていきたい!」と思っています。病気の有無に関わらず、人それぞれ、さまざまな人生を送りますし、喜びや悲しみも、人それぞれ違うと思うからです。

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「心を強く持ち、自分の置かれた場所で精一杯楽しく生きていきたい!」と、お母さん。

そして、私はこれからも全力で息子の人生をサポートしていきます。息子の人生も、私の人生も、楽しいものにしたいです。だから、皆さんも、人生を楽しんで、患者さんと一緒に居られる時間を過ごして欲しいです。

最後に、遺伝性疾患プラスの読者へメッセージをお願いします。

病気だからと言って、悲しいことばかりではないと信じています。私自身、息子が病気だとわかってから、小さな出来事も幸せだと思えるようになりました。もちろん、悲しい出来事は多くありますが、それだけではありません。楽しむことを大切に、これからも息子と生きていきます。


最後のメッセージは、「もし、私の言葉に傷つく人がいたら…」と、何度も考えながら、慎重に、言葉にしてくださいました。

遺伝性疾患プラスでは今後も、さまざまな遺伝性疾患に関わる患者さんご家族の声を発信していきます。今回の1周年イベント開催に際し、情報の告知にご協力頂いた皆さま、願いを応募してくださった皆さま、改めて、本当にありがとうございました。(遺伝性疾患プラス編集部)

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