ムコ多糖症I型・II型、遺伝子治療剤のライセンス契約を日本新薬が締結

遺伝性疾患プラス編集部

POINT

  1. 日本新薬はムコ多糖症I型・II型の遺伝子治療剤RGX-111・RGX-121の提携契約を締結
  2. 遺伝子導入により酵素が体内で合成され、長期の疾患進行抑制が期待される
  3. 日本を含むアジアにおける独占的開発販売権を取得

重症例は中枢神経系含む全身の臓器に障害を来す

日本新薬株式会社は、ムコ多糖症I型・ムコ多糖症II型を期待適応症とする遺伝子治療剤RGX-111、およびRGX-121に関する提携契約を米REGENXBIO社と締結したと報告しました。

ムコ多糖症は、ライソゾーム病の1種で、遺伝的な要因で特定の酵素が欠損するもしくは活性が低下することにより、体内にムコ多糖の一種である特定のグリコサミノグリカンが蓄積しさまざまな症状を引き起こす遺伝性疾患です。原因となる遺伝子によっていくつかの病型に分かれますが、この病気では多くの場合複数の臓器が障害され、重症例では中枢神経系を含む全身の臓器に障害を来すこともあります。しかし、現在のところまだ根治療法はなく、酵素補充療法などによる進行抑制が治療の中心となっています。

RGX-121は米国で段階的承認申請中、RGX-111は第1/2相試験中

RGX-111およびRGX-121は、それぞれムコ多糖症I型、およびII型に対する遺伝子治療剤で、欠損する酵素の遺伝子導入により疾患の原因となる酵素が体内で合成され、長期間にわたる疾患進行の抑制が期待されています。

RGX-121は、米国において段階的承認申請中であり、米国食品医薬品局(FDA)より、希少小児疾患指定、再生医療先進医療認定、希少疾病用医薬品指定、ファストトラック指定を受けています。

RGX-111は、米国、ブラジル、イスラエルにおいて第1/2相の臨床試験を実施中です。また、FDAより希少小児疾患指定、希少疾病用医薬品指定、ファストトラック指定を受けています。

今回の契約に基づき、同社はRGX-111およびRGX-121の米国における独占的販売権と日本を含むアジアにおける独占的開発販売権を取得します。(遺伝性疾患プラス編集部)

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