タンパク質は、大きくて複雑な分子で、体の中で多くの重要な働きをしています。その働きは、ほとんどが細胞内で行われており、体の組織や器官の構造、機能、調節に必要なものです。
タンパク質は、小さなアミノ酸が数百から数千個、長く鎖のようにつながって出来ています。タンパク質を構成するアミノ酸は20種類あり、それらの組み合わせでタンパク質は出来ています。アミノ酸の配列(並び順)により、各タンパク質の立体的な構造と特定の機能が決定されます。アミノ酸は、遺伝子配列として刻まれている4つのヌクレオチド(A、T、G、C)の並び順のうち、3文字ずつの組み合わせによってコードされています。
タンパク質の幅広い機能には、下表のようなものがあります。
タンパク質の種類 | 説明 | 例 |
抗体(Antibody) | 抗体は、ウイルスや細菌などの特定の異物と結合し、体を守る働きをする | 免疫グロブリンG (IgG抗体) |
酵素(Enzyme) | 酵素は、細胞内で起こる何千もの化学反応のほとんどすべてを行う。また、DNAに組み込まれた遺伝情報を読み取り、新しい分子の形成を助けるものもある | フェニルアラニン水酸化酵素 |
メッセンジャー(Messenger) | ホルモンのような、メッセンジャーと呼ばれるタンパク質は、異なる細胞、組織、器官間の生物学的プロセスを調整する信号を伝達する | 成長ホルモン |
構造形成 (Structural component) | 小さなところでは細胞に構造を与え、支えているほか、大きなところでは体全体を動かすためにも働いている | アクチン |
輸送/貯蔵(Transport/storage) | 原子や小分子と結合し、それらを細胞内や体全体に運ぶ | フェリチン |
(遺伝性疾患プラス編集部)