遺伝子はどのように細胞の成長や分裂を制御しているのですか?

遺伝性疾患プラス編集部

「遺伝子の働き」Topに戻る

細胞の成長と分裂の制御には、さまざまな遺伝子が関わっています。細胞は、「細胞周期」と呼ばれる組織的で段階的な方法で自らを複製していきます。このプロセスが厳密に制御されることで、分裂する細胞のDNAが正しくコピーされ、DNAのエラーが修復され、分裂後の細胞(娘細胞)が完全な染色体のセットを受け取ることができます。細胞周期にはチェックポイント(制限点、restriction pointsとも呼ばれる)と呼ばれる時点があり、ここで特定の遺伝子に問題がないかを検証し、問題があれば周期を止めて修復することになっています。

細胞のDNAに修復不可能なエラーが存在している場合には、その細胞は自死(アポトーシス)を起こすことがあります。アポトーシスは、機能しなくなった細胞や不要になった細胞を、体から取り除くためのプロセスで、生涯を通じてよく見られます。アポトーシスを起こした細胞は分解され、マクロファージと呼ばれる白血球の一種によって再利用されます。アポトーシスは、がんにつながる可能性のある遺伝的損傷を受けた細胞を除去することで体を保護するとともに、胚の発生や成体組織の維持に重要な役割を果たしています。

細胞周期の正常な制御が阻害されると、がんなどの疾患につながります。細胞周期が制御されずに進行すると、細胞は秩序なく分裂し、遺伝的なエラーが蓄積されて、がん化した腫瘍になることがあります。(提供:ステラ・メディックス)

01 220217

関連リンク

遺伝子の働き 」の記事

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

このページ内の画像は、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
こちらのページから遺伝に関する説明図を一括でダウンロードすることも可能です。