患者さん・ご家族の願いを叶えるイベントでも使用「遺伝性疾患啓発Tシャツ」
遺伝性疾患プラスはサイトオープン2周年を記念し、グループ会社であるエムスリー株式会社が展開する『CaNoW(カナウ)※』と共に、3名の患者さんやご家族の願いを無償で叶えるイベントを開催しています。
※CaNoW(カナウ)は『病や障がいと共にある方』の願いを叶えるプロジェクトです。
また、今回のイベント開催に伴い、「遺伝性疾患啓発Tシャツ」をつくることを決定。このTシャツは、2周年イベントで患者さん・ご家族の願いを叶える際にも使用します。
「遺伝性疾患啓発Tシャツ」をつくるに当たり、今回は遺伝性疾患に関わる全ての皆さまから、「遺伝性疾患に関わる思い・エピソード」をTwitterで募集しました!ハッシュタグ「#伝えよう遺伝性疾患のこと」で投稿頂いた皆さま、本当にありがとうございます。今回の記事では、応募頂いた方の中から大賞とジーンくん賞を受賞された皆さんの投稿をご紹介します。また、応募頂いた内容をもとに、遺伝性疾患プラスのデザイナーがデザインした「遺伝性疾患啓発Tシャツ」も、あわせてご報告します!
大賞
にゃころさん
受け入れなくてもいい、受け止めて欲しい。たった1人でも私の全ても包んでくれる人がいたらそれでいい。そんなあなたもやっぱり遺伝の確率を見て不安になってる。でもね、どんなことも100%なんてないんだよ。たった1ついえる100%は貴方との子どもは100%可愛いってこと。
あなたが不安になる気持ちはわかる。だから今度は私が気持ちを受け止めるから。受け止めてくれた先は受け入れてくれる気持ち。受け入れてくれた先は不安。それだけでも十分私は幸せです。その不安を共有できるだけでも幸せです。どうか確率だけを見ず奇跡も信じましょう。
奇跡がもし起きなくてもあなたとの子どもは100%幸せです。こんな気持ちになれたのも貴方が受け入れてくれたから。どうかこの世界に1人でも多く受け止めてくれる人が増えますように。出会えますように。#伝えよう遺伝性疾患のこと
「網膜色素変性症」「神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病、NF1)」をお持ちの、にゃころさん。「受け入れなくてもいい、受け止めて欲しい」という言葉に、当事者としての思いがつまっているように感じられました。また、「あなたが不安になる気持ちはわかる。だから今度は私が気持ちを受け止めるから」というパートナーへのメッセージもとてもあたたかく、今回、大賞に選ばれました。
「受賞によせて」にゃころさんコメント
最近、彼と「結婚」や「2人の子ども」について話す機会が増えました。先日も、彼と2人の将来のこと話した後に、「#伝えよう遺伝性疾患のこと」の募集をTwitter投稿でたまたま見つけたんです。だから、その時の思いを投稿しました。
まさか自分の投稿が大賞に選ばれるとは思っていなかったので、驚きを隠せません。とても嬉しいです。ありがとうございます。
これまで、自分の難病について詳しく考えてきませんでした。しかし、今回の遺伝性疾患プラスの企画で大賞を頂いたことがきっかけで、自分の難病について深く考えるようになりました。そんなきっかけをくださった遺伝性疾患プラスの皆さまには大変感謝しております。
※にゃころさんには別途インタビューにご協力頂き、パートナーとのお話なども詳しくお伺いしました。記事は、後日公開予定です。
完成!「#伝えよう遺伝性疾患のこと」遺伝性疾患啓発Tシャツ
大賞を受賞されたにゃころさんの投稿をもとに、遺伝性疾患啓発Tシャツのデザインを、遺伝性疾患プラスのデザインチームでつくりました。このTシャツは、にゃころさんや、願いを叶えるイベントに参加される患者さんやご家族にもプレゼントさせて頂きます。
「デザインに込めた想い」遺伝性疾患プラス・デザイナーコメント
真ん中の2人は、遺伝性疾患の患者さんを受け止めたいという思いを表現しています。2人の人間が向き合い、話を聞いて、お互いを受け止めあうイメージで描きました。
両手と周りを囲む花の輪には、遺伝性疾患への理解が社会へ広がって欲しい、また、それによって遺伝性疾患を受け入れる・支援する人々が増えて欲しい、という願いを込めました。
ジーン君賞
ここからは、ジーン君賞を受賞した皆さまの投稿をご紹介します。企画へのご参加、本当にありがとうございました!
つきひめ@ポッチャマもふりたいさん
#伝えよう遺伝性疾患のこと
私は母からの遺伝で神経線維腫症1型を患ってます。生後9ヶ月の時に右足の脛骨を骨折してしまい世界だと7例目(日本初症例)の合併症である先天性脛骨偽関節症になりました。従来なら切断なのですが、出会った医師が「この子を自分の足で歩かせたい」と言ってくれました。
そして2歳の時に血管付き骨移植で左足の腓骨を右足の脛骨に移植し、当時の創外固定器を装着しました。手術時間は12時間半もかかったそうです。その後、無事に骨がついて歩いたり走ったり出来るようになりましたが、8歳の時に大好きな母を神経線維腫症1型が原因の悪性腫瘍により失いました。
当時は母が死んだ理由は分かりませんでした。成長していくにつれ、自分の足やカフェオレ斑による見た目が気になりいじめも受けたので調べて自分で病名を知り、父親に打ち明けました。その時父親は「黙っててごめん。話そうと思ってたけど、お前が傷付くと思っていえなかった」と涙を流しました。
私は全然気にしてないし、治療を受けさせてくれてるから大丈夫といいました。その後も骨の変形や腫瘍切除と入退院を繰り返してますが、自分の病気を受け入れてます。罹患者からすると、可哀想の言葉は要りません。必要なのは 理解 だけです。治療を受けて頑張ってる。ただそれだけを知って欲しいです。
「神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病、NF1)」をお持ちの、つきひめ@ポッチャマもふりたいさん。「この子を自分の足で歩かせたい」と言ってくれた医師とのエピソードや、同じ神経線維腫症I型をお持ちのお母さんのお話など、投稿してくださいました。「可哀想の言葉は要りません。必要なのは理解だけです。治療を受けて頑張ってる。ただそれだけを知って欲しいです」という声を、多くの方に知って頂きたいです。
美子を胸にさん
#伝えよう遺伝性疾患のこと
16年前次女を出産。赤ん坊と呼ぶには程遠い透き通る様な白さ。即NICUへ。Drの説明はフロッピーインファント※の状態。その後、様々な検査実施も結果出ず100日で退院。児童デイ、リハビリも開始。他の病気も有るが、この病気との関連は不明。
※フロッピーインファント:筋緊張の低下により、からだがやわらかく、ぐにゃぐにゃしているような状態(フロッピー)の、乳幼児(インファント)のこと。
最終的にIRUD(※アイラッド:未診断疾患イニシアチブ)の申請が通り家族皆の検体採取 1年後 国立成育医療研究センターの解答が届き13歳にして確定診断がついた。遺伝子の突然変異。過去に例のない配列とありました。娘の例で論文が採用され専門機関のHP等に掲載されています。
勿論 家族の誰からも遺伝子の異常は検出されず遺伝の可能性は無しとの見解。今後更にゲノム解析での研究が進み希少病治療の道が拓く事を願います。
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)への参加などを経て、お子さんが13歳でようやく診断に至ったという美子を胸にさん。希少な遺伝性疾患の場合、未診断の時期を長く過ごされる患者さん・ご家族も少なくありません。「希少病治療の道が拓く事を願います」という言葉が、重みをもって伝わってくるエピソードでした。
MLC患者の会さん
#伝えよう遺伝性疾患のこと
私たちと繋がってくださった、患者家族の皆様。寄り添いたくて、誰かの力になりたくて、未来を変えたくて立ち上がりました。「社会を変えたい」と初めて強く思いました。皆さんのことをとても大切に思う日々です。これからも、何があっても大丈夫と信じて、走り続けます!
大脳白質が障害を受ける進行性の疾患「進行性白質脳症」に含まれる、皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症(以下、MLC)。含まれる全ての疾患を合わせても、進行性白質脳症の日本の患者数は100人未満とされるほどの希少疾患です。「寄り添いたくて、誰かの力になりたくて、未来を変えたくて立ち上がりました」という言葉にあるように、MLC患者の会さんの活動は、今も続いています。ぜひ、MLC患者の会・廣石綾子さんのインタビュー記事も、あわせてご覧ください。
Pさん(高校理科)さん
生物をメインに学習動画をYouTubeに投稿しています。
大学の友人のお子様が遺伝性疾患となり、少し前に動画を一本作らせていただきました。
もっと影響力をもち、大切なことを伝えていけるように頑張りたいです。
遺伝性疾患プラス様とはお誕生日が同じでした!(開設日)
#伝えよう遺伝性疾患のこと
生物を楽しく学べる動画をYouTubeで投稿されている、Pさん。実は、先日もウェルナー症候群、皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症(MLC)といった遺伝性疾患を解説する動画を公開されました。「大切なことを伝えていけるように頑張りたいです」という言葉がとても心強く、しかも、開設日のお誕生日が同じだったということで、さらにうれしかったです。
2周年イベントも進行中!詳細は後日ご報告
今回の「#伝えよう遺伝性疾患のこと」企画にご参加頂いた皆さま、企画の周知にご協力頂いた皆さま、改めて本当にありがとうございました。
今年の遺伝性疾患プラス2周年記念イベントのテーマは、「願いを叶え、疾患啓発につなげる」です。参加される3名の患者さんやご家族に関わる遺伝性疾患についても、これからご紹介していく予定です。また、皆さんの願いについても、CaNoW(カナウ)チームと共に叶える準備を進めています。今後、詳しくご紹介していきますので、ぜひ、あわせてご覧頂けると嬉しいです。(遺伝性疾患プラス編集部)