遺伝性疾患の中には、祖先が特定の地域に住んでいた人で発症しやすいものがあります。民族の中で、共通の祖先から受け継いだ特定の型の遺伝子を有していることがよくあるからです。これらの受け継がれた遺伝子の一つが病気の原因となる変異を含んでいる場合には、特定の遺伝性疾患がその集団で起こりやすくなる可能性があります。
特定の民族に多い遺伝性疾患の例としては、アフリカ、アフリカ系米国人、地中海沿岸諸国の血を引く人に多く見られる鎌状赤血球症があります。このほかアシュケナージ（東欧・中央欧）系ユダヤ人、フランス系カナダ人の血を引く人に多く見られるテイ・サックス病があります。しかし、これらの疾患はどの民族にも起こり得るということは、知っておくべき重要な点です。（提供：ステラ・メディックス）
