希少疾患についてのよくある質問

遺伝性疾患プラス編集部

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希少疾患の定義は国によって異なり、日本では国内の患者数が5万人未満の疾患、米国では国内の患者数が20万人未満の疾患と定義されています。

Rare Diseases Faq

希少疾患は何種類あるのですか?

希少疾患は、数千種類(6,800種類以上)あると言われています。

希少疾患の原因は何ですか?

希少疾患の多くは、いまだに原因が不明ですが、その多くは単一の遺伝子の変異が原因であると考えられています。このような疾患は希少遺伝性疾患と呼ばれます。遺伝子変異の多くは世代から世代へ受け継がれるため、特定の希少疾患が家族内で発生する理由の一つとして説明されます。

ただし、遺伝は病気を引き起こす原因の一つにすぎず、食事・喫煙・化学物質への暴露などの環境要因も原因として影響を与える可能性があります。環境要因が直接の原因となる場合もあれば、遺伝要因と相互作用して病気を引き起こしたり、重症度を高めたりする場合もあります。

希少疾患には例えばどんなものがありますか?

単一の遺伝子変異によって引き起こされる希少疾患の例として、呼吸器や消化器に影響を及ぼす「嚢胞性線維症」、脳と神経系に影響を及ぼす「ハンチントン病」、筋肉に影響を及ぼす「筋ジストロフィー」などがあります。

まれな遺伝性のがんの中にも単一の遺伝子が原因となるものもあります。これらの例として、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子があります。これらの遺伝子に特定の変異が起こることによって遺伝性乳がん卵巣がんのリスクが高まります。また、FAP遺伝子の変異では、遺伝性の大腸がんである家族性大腸腺腫症のリスクが高まります。

環境要因によって引き起こされる希少疾患には、ビタミン欠乏症や特定の薬剤によって引き起こされるまれな種類の貧血があります。まれながんの中で、環境要因によって引き起こされるものの例として、胸腔の内壁細胞に影響を及ぼす「中皮腫」があります。このがんの原因の90%以上が、防火材や断熱材として過去に広く使用されていたアスベストへの曝露によるものとされています。

希少疾患の治療法開発のために、どのような取り組みが行われていますか?

近年、さまざまな希少疾患についての研究で、診断・治療・予防方法の解明などにおいて大きな進歩を遂げています。しかし、希少疾患の大半にはいまだ治療法がなく、まだ多くの課題が残されています。

米国では1983年に希少疾病医薬品法が成立し、製薬会社が希少疾患の治療法開発するための優遇措置が設けられています。FDAはこの法律が制定されてから25年間で希少疾患の治療薬を340種類以上承認しています。

日本でも、国内で5万人未満の患者数かつ医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致する場合に希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品として指定し、優遇する措置が設けられています。

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