ミトコンドリアDNAの変化は、健康や発育に影響を与えるのでしょうか?

遺伝性疾患プラス編集部

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ミトコンドリアは、細胞内にある小器官で、食物から得たエネルギーを細胞が利用できる形に変換しています。ほとんどのDNAは核内の染色体に格納されていますが、ミトコンドリアにも少量のDNA(ミトコンドリアDNAまたはmtDNAと呼ばれています)が存在しています。場合によっては、ミトコンドリアDNAの遺伝的な変化が、成長や発達、体のシステムの機能に問題を引き起こすことがあります。それは、これらの変異により、細胞のために効率的にエネルギーを作り出しているミトコンドリアの機能を壊されるような場合です。

ミトコンドリアDNAの変異によって起こる症状は、多くの場合、複数の器官に及びます。これらの症状の影響が最も顕著に現れるのは、多くのエネルギーを必要とする臓器や組織(心臓、脳、筋肉など)です。遺伝によって引き継がれたミトコンドリアDNAの変化による健康への影響はさまざまですが、よく見られるのは、筋力の低下や消耗、運動障害、糖尿病、腎不全、心臓病、知的機能の低下(認知症)、難聴、目や視力の障害などです。

ミトコンドリアDNAには、遺伝によって引き継がれない遺伝子の変化(体細胞変異)が生じることがあります。体細胞変異は生まれた後に特定の細胞(精子や卵細胞ではありません)のDNAに発生し、後世に引き継がれることはありません。ミトコンドリアDNAはエラーを修復する能力が限られているため、これらの変異体は時間の経過とともに増加していく傾向があります。ミトコンドリアDNAの体細胞変異体の増加は、いくつかのがんや、心臓病、アルツハイマー病、パーキンソン病などの特定の加齢性疾患のリスク増加と関連しています。さらに、ヒトが一生をかけてこれらの変異体を徐々に蓄積していくことが、正常な加齢のプロセスに関与している可能性を示唆する研究結果もあります。(提供:ステラ・メディックス)

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