二瓶: 皆さん、こんにちは!遺伝性疾患の患者さん・ご家族向けメディア「遺伝性疾患プラス」編集長の二瓶です。「教えて!編集長」は、遺伝性疾患に関わる難しい内容をわかりやすくお届けするコーナーです。
山田: 皆さん、こんにちは!遺伝性疾患プラス編集部の山田です。今回も、ラジオ感覚で聞いて頂ける音声コーナーでお届けします。
二瓶: 今回ご紹介するニュースは、「遺伝性網膜ジストロフィー初の遺伝子治療「ルクスターナ」日本で発売」です。
眼科疾患で初めての遺伝子治療「ルクスターナ(R)注」(一般名:ボレチゲン ネパルボベク)が、日本で発売されました。対象は、両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーです。
山田: 遺伝性網膜ジストロフィーは、どのような病気なんですか?
二瓶: 網膜の機能が障害される遺伝性・進行性の目の病気の総称です。例えば、「網膜色素変性症」などが含まれます。
山田: ルクスターナは、どのような薬なんですか?
二瓶: 視覚障害が生じていて、生きている網膜細胞が十分にあり、2つ持つRPE65遺伝子が両方とも変異している患者さんが対象となる遺伝子治療薬です。
RPE65遺伝子は、遺伝性網膜ジストロフィーの原因遺伝子の1つで、この遺伝子に変異が生じると、正しく働くRPE65タンパク質を作ることができずに不足し、視覚障害が生じます。ルクスターナは、このRPE65遺伝子の機能を補う、AAVベクター遺伝子治療薬です。
山田: 臨床試験では、どのようなことがわかっていますか?
二瓶: 海外の臨床試験の結果、視力の改善が確認されています。また、日本人患者さんを対象とした臨床試験では、光感受性の改善が見られました。報告されている重大な副作用は、眼内炎、眼の炎症、網膜異常、眼圧上昇、白内障です。
それでは、今日のニュースのポイントをおさらいしましょう。
- 遺伝性網膜ジストロフィーは、「網膜色素変性症」などが含まれる遺伝性・進行性の目の病気の総称
- 治療の対象となるのは、「視覚障害が生じている」かつ「十分な生存網膜細胞がある」かつ「2つのRPE65遺伝子の両方に変異がある」方
詳しい情報は、YouTubeの説明欄、もしくは記事の関連リンクにあるニュース記事をチェックしてみてくださいね。今日はここまでです。それでは、次回もお楽しみに。さようなら!
山田: 二瓶さんのウクレレと一緒にお届けしました!(遺伝性疾患プラス編集部)