ミトコンドリアは、食物として得たエネルギーを細胞が利用できる形に変換する役割を持つ、細胞内小器官です。各細胞には数百~数千のミトコンドリアがあり、それらは細胞質(核を取り囲むように存在する液体状の部分) の中に存在します。DNAのほとんどは核内の染色体にありますが、ミトコンドリアも少量のDNA(ミトコンドリアDNA/mtDNA)を独自に持っています。ヒトの場合、ミトコンドリアDNAは約1万6,500塩基対から成り、これは細胞内の全DNAのほんの一部に相当します。
ミトコンドリアDNAには37個の遺伝子が含まれており、全て正常なミトコンドリアの機能に必須です。これらの遺伝子のうち13個は、「酸化的リン酸化」という仕組みに関与する酵素の設計図となっています。酸化的リン酸化は、酸素と単糖を使って、細胞の主なエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)を作り出すプロセスです。残りの遺伝子は、トランスファーRNA(tRNA)、および、リボソームRNA(rRNA)と呼ばれる、化学的にDNAのいとこのような間柄である分子の設計図となっています。tRNAとrRNAは、どちらもアミノ酸を組み立てて、機能的なタンパク質を作る過程で重要な役割を果たしています
ミトコンドリアDNAの変化に関連する疾患
ミトコンドリアDNAの変化に関連した疾患として、以下の疾患が挙げられます。